「飲む日焼け止め」とは、紫外線対策を目的として摂取するサプリメントの総称で、正式には経口光防御(オーラルフォトプロテクション)成分と呼ばれます。ニュートリノックス(ファーンブロック)、PLE(Polypodium leucotomos)、アスタキサンチン、リコピンなどの植物由来抗酸化成分が主に使われています。塗るタイプの日焼け止め(外用サンスクリーン)とは作用機序が異なり、体内から酸化ストレスや炎症反応に働きかけるアプローチとされています。近年は錠剤・カプセル・ドリンクタイプなど形状も多様化し、通販サイトでも数多くの商品が扱われています。
「毎回塗り直すのが面倒」「屋外での仕事や運動で紫外線対策を続けたい」「日焼け止めを塗っても焼けが気になる」といった悩みを持つ方に向けた情報です。特にアウトドアワークや通勤・通学で紫外線を浴びる時間が長い方、塗り直しの手間を減らしたい方が飲む日焼け止めに関心を持つ傾向があります。ただし後述の通り、飲む日焼け止めは塗るタイプの代わりにはならない点に注意が必要です。
飲む日焼け止めの効果に関する研究として、NIH(米国国立衛生研究所)のPMCデータベースに掲載された2025年のRCT(ランダム化比較試験)があります。この研究によると、紅オレンジエキスとPLE(Polypodium leucotomos)を配合したサプリメントを8週間摂取した結果、最小紅斑量(紫外線に対する皮膚の反応を示す指標)が23.8%増加し、紅斑(皮膚の赤み)が46.2%減少したと報告されています([PMC11990338](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11990338/))。
一方で、経口光防御成分の位置づけについては注意が必要です。NIHのPMCに掲載された2018年の総説によると、経口光防御成分は塗る日焼け止めを「補完するもの」であり、「代替にはならない」と明記されています([PMC6028556](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6028556/))。
さらに、2023年に公表された全身性光防御に関するレビューでも同様の見解が示されており、全身性(経口)の光防御は外用日焼け止めの効果に劣るとされ、「必ず併用すべき」と結論づけられています([PMC10377635](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10377635/))。これらの公的データベース掲載研究を踏まえると、飲む日焼け止めは紫外線対策の補助的な選択肢として位置づけるのが妥当と考えられます。
飲む日焼け止めを選ぶ際は、以下の観点を確認すると判断材料になります。
価格だけでなく、継続して摂取できるかどうかも選択の重要な観点になります。
飲む日焼け止めは医薬品ではなく食品(サプリメント)に分類されるため、紫外線を「防ぐ」「遮断する」効果を保証するものではありません。前述の通り、公的データベースに掲載された研究でも、塗る日焼け止めの代替にはならず、併用が前提とされています([PMC6028556](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6028556/))。
また、原材料にアレルギーがある場合や、持病で薬を服用中の場合は、摂取前に成分表示を確認することが大切です。妊娠中・授乳中の方や、体調に不安がある方も自己判断せず、事前の確認をおすすめします。個別の症状や体質に関する相談は、医師または薬剤師にご相談ください。
飲む日焼け止めは、PLEなどの成分に関する研究報告がある一方、公的機関のデータベースに掲載された複数の研究で「塗る日焼け止めの代替にはならない」「併用が前提」とされています。選ぶ際は配合成分やレビュー件数などを確認しつつ、あくまで外用日焼け止めと組み合わせる補助的な選択肢として検討するとよいでしょう。体質やアレルギーが気になる場合、また持病がある場合は、医師に相談した上で取り入れることをおすすめします。